RSI・MACDの基本|テクニカル指標の見方をデイトレ初心者向けに解説

移動平均線とは何か

移動平均線とは、一定期間の株価の平均値を線でつないだものです。

たとえば「25日移動平均線」なら、直近25日間の終値(その日の最終価格)の平均を毎日計算して線にしたものです。日々更新されるため「移動」平均と呼ばれます。

25日移動平均の計算イメージ

今日の25日移動平均 = 直近25日間の終値の合計 ÷ 25

明日になると1日分ずれて、また新しい25日間で計算される

💡 移動平均線が示すもの
移動平均線は「市場参加者の平均コスト」に近い値です。現在の株価が移動平均線より上にあれば「多くの人が含み益」、下にあれば「多くの人が含み損」の状態を表します。

短期・中期・長期の違い

移動平均線は期間によって見えるものが違います。よく使われる期間は以下の通りです。

種類期間(日足の場合)特徴
短期5日・25日価格の動きに敏感。ノイズも多い。デイトレでよく使う。
中期75日中期的なトレンドを把握するのに使う。
長期200日長期的な相場の方向性を示す。株価がここを超えると強い上昇サイン。
💡 デイトレでは「分足」を使う
デイトレでは1日の値動きを細かく見るため、5分足・15分足チャートの移動平均線を使うことが多いです。日足(1日1本)ではなく分単位のチャートが基本になります。

ゴールデンクロスとデッドクロス

2本の移動平均線が交差する場面に注目するのが「クロス」のサインです。

ゴールデンクロス(買いサイン)

短期線(例:25日)が長期線(例:75日)を下から上に突き抜けること。

→ 「短期的な平均コストが長期平均を上回った=上昇トレンドに転換しやすい」とされる。

デッドクロス(売りサイン)

短期線が長期線を上から下に突き抜けること。

→ 「下落トレンドに転換しやすい」とされる。

⚠️ クロスは万能ではない
ゴールデンクロスが出ても必ず上がるわけではありません。あくまで「傾向」のひとつです。他の指標と組み合わせて判断することが重要です。

サポートとレジスタンス

移動平均線は「価格が反発しやすい水準」としても機能します。

サポート(支持線):移動平均線に価格が下から近づいたとき、そこで反発して上昇しやすい水準。

レジスタンス(抵抗線):移動平均線に価格が上から近づいたとき、そこで跳ね返されて下落しやすい水準。

サポート・レジスタンスの考え方そのものはサポートラインとレジスタンスラインの記事で詳しく解説しています。

💡 なぜ反発するのか
多くのトレーダーが「移動平均線付近で買う・売る」という行動を取るため、実際に価格が反応しやすくなります。「みんなが意識するから機能する」という面が強いです。

デイトレでの使い方

デイトレでは主に以下のような使い方をします。

5分足チャートを開く
短期・長期の移動平均線を表示
トレンドの方向と
エントリーポイントを判断

デイトレの移動平均線 設定の目安

「何分足に何本の線を出せばいいのか」で迷う人が多いので、よく使われる組み合わせの目安をまとめます。まずはこの設定で始めて、慣れてきたら自分のスタイルに合わせて調整すれば十分です。

スタイルチャート移動平均線の設定見るポイント
スキャルピング〜数分の勝負1分足5MA・25MA5MAの傾きと価格の位置関係
一般的なデイトレ5分足5MA・25MA・75MA25MAでの反発/クロス
数時間持つデイトレ15分足25MA・75MAトレンドの継続と押し目
💡 線は3本まで
移動平均線を増やしすぎるとチャートが読めなくなります。デイトレなら「短期1本+中期1本(+長期1本)」の2〜3本で十分です。線の数より、出来高をあわせて見る方がずっと重要です。出来高の見方は出来高の記事で解説しています。

また、移動平均線がきれいに機能するのは値動きと出来高がある銘柄です。そもそもどの銘柄でトレードするかはデイトレ銘柄の選び方を参考にしてください。

SMAとEMAの違い|デイトレはどちらを使うか

移動平均線には計算方法の異なる2種類があります。証券会社のチャート設定で選べるので、違いを知っておくと迷いません。

種類正式名称計算方法特徴
SMA単純移動平均期間内の終値を単純に平均なめらか。反応は遅いがダマシが少ない
EMA指数平滑移動平均直近の価格に大きな重みをつけて平均反応が速い。トレンド転換を早く捉えられる
💡 デイトレならEMAが向いている
デイトレは数分〜数時間で決着をつけるため、反応の速いEMAの方が扱いやすいです。SMAだとサインが出た頃には値動きが終わっていることがあります。逆に数日〜数週間持つスイングでは、ダマシの少ないSMAで十分です。

ただし、どちらが優れているというものではありません。多くの市場参加者が見ている設定ほど機能しやすいという性質があるため、迷ったら日本株で一般的な「日足はSMA・分足はEMA」から始めるのが無難です。

グランビルの法則|移動平均線の8つの売買サイン

移動平均線と価格の位置関係から売買タイミングを判断する古典的な法則です。1960年代にジョセフ・グランビルが提唱したもので、今でも多くのトレーダーが意識しています。

買いの4パターン

状況意味
移動平均線が横ばい〜上向きに変わり、価格が下から上抜けた新規買い(最も基本的な買いサイン)
上昇中の移動平均線を、価格が一時的に下回った押し目買い
上昇中の移動平均線に価格が近づいたが、割らずに反発した買い増し
下落中の移動平均線から価格が大きく下に乖離した短期の反発狙い(リバウンド)

売りの4パターン

状況意味
移動平均線が横ばい〜下向きに変わり、価格が上から下抜けた新規売り
下落中の移動平均線を、価格が一時的に上回った戻り売り
下落中の移動平均線に価格が近づいたが、超えられず反落した売り増し
上昇中の移動平均線から価格が大きく上に乖離した利益確定
💡 8つ全部を覚える必要はない
実戦でよく使うのは②の押し目買い⑧の利益確定です。「上昇トレンド中に移動平均線まで下がってきたら買い、線から離れすぎたら利確」——この2つだけでも十分に機能します。

パーフェクトオーダー|強いトレンドの見分け方

3本の移動平均線が短期・中期・長期の順にきれいに並んだ状態を「パーフェクトオーダー」と呼びます。

種類並び方(上から)意味
上昇のパーフェクトオーダー短期 → 中期 → 長期強い上昇トレンド。買い目線に絞る
下降のパーフェクトオーダー長期 → 中期 → 短期強い下降トレンド。売り目線に絞る

この形が出ている間は、トレンドに逆らわないことが最も重要です。上昇のパーフェクトオーダー中に「そろそろ下がるだろう」と逆張りするのは、勝率の低い戦い方になります。

⚠️ 崩れ始めがトレンド終了のサイン
パーフェクトオーダーが崩れて線が絡み合い始めたら、トレンドが弱まった合図です。この段階では新規エントリーを控え、保有ポジションの利確を検討する場面になります。

「ダマシ」への対処法

移動平均線を使っていると必ず遭遇するのが「ダマシ」です。ゴールデンクロスが出たのにすぐ下落する、といった現象を指します。

ダマシが起きやすい場面

減らすための3つの工夫

工夫やり方
線の傾きを確認する横ばいのときのクロスは見送る。傾きが出ているときだけ入る
上位足と方向を揃える5分足で買うなら、15分足や日足も上向きか確認する
他の指標と組み合わせるRSI・MACD出来高で裏付けを取る
⚠️ ダマシはゼロにできない
どんな工夫をしてもダマシは必ず起きます。大事なのは「ダマシを避けること」より「ダマシに当たったときに小さく撤退できること」です。エントリー前に損切りラインを決めておけば、ダマシは単なる小さな負けで済みます(損切りの決め方)。
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移動平均線を押し目の目安にする方法のほかに、比率から算出する方法もあります。

フィボナッチリトレースメントの使い方|押し目の目安を計算する方法
無料ツール
ポジションサイズ計算ツール
移動平均線で損切り位置を決めたら、そこから適正な株数を計算できます

まとめ

  • 移動平均線は「一定期間の株価の平均値」を線にしたもの。
  • 短期(5日・25日)・中期(75日)・長期(200日)で用途が違う。
  • ゴールデンクロス(短期が長期を上抜け)は買いサイン、デッドクロスは売りサイン。
  • 移動平均線はサポート・レジスタンスとしても機能する。
  • デイトレでは分足チャートの移動平均線を使ってトレンドを判断する。
  • デイトレはEMA(反応が速い)、スイングはSMA(ダマシが少ない)が向いている。
  • グランビルの法則の中でも、②押し目買いと⑧利益確定の2つは実戦で使える。
  • 3本の線が順に並ぶパーフェクトオーダーは強いトレンドのサイン。逆張りしない。
  • ダマシはゼロにできない。線の傾き・上位足・出来高で確度を上げ、損切りで小さく撤退する。