この記事が対象にしている期間

前回(④)は9月29日〜10月6日でした。今回はその続きです。

期間件数結果記事
9月21日〜9月28日17件+2,115円③
9月29日〜10月6日13件+113円④
10月12日〜10月28日20件+464円この記事
新ルール通算57件−1,283円—

10月7日〜11日は取引していません。また、この20件はルールどおりに入れたものだけです。同じ期間にルール外で入った6件は別に分けて書きます。

先に結果:20件で+464円

今回の20件
+464円
pips
+16.5
勝率
65.0%

前回(13件・PF 1.031)からは改善しました。ただし中身の変わり方が意外でした。

項目前回(13件)今回(20件)
勝率61.5%65.0%
プロフィットファクター1.0311.206
平均の勝ち+11.95pips+7.44pips
平均の負け−18.54pips−11.46pips
合計+2.9pips+16.5pips

勝ちは小さくなりました(+11.95 → +7.44pips)。それでもPFが上がったのは、負けがそれ以上に小さくなったからです(−18.54 → −11.46pips)。

💡 「大きく勝つ」より「小さく負ける」が効いている
記事③の頃は平均の負けが−21.27pipsでした。そこから−11.46pipsまで半分近くに縮んでいます。 勝ちを伸ばす工夫は何もしていません。変わったのは負け方だけです。

負けた7件のうち6件は、一度も伸びていなかった

ここが今回いちばん大きい発見です。負けた7件について、保有中に最大でどれだけプラスになったか(最大含み益)を並べます。

日付結果最大含み益最大逆行保有
10/20−10.7pips+0.0pips−11.0pips11分
10/28−14.5pips+0.3pips−15.7pips162分
10/27−3.6pips+0.9pips−5.0pips6分
10/19−13.1pips+1.6pips−13.5pips96分
10/16−11.0pips+1.7pips−12.2pips30分
10/27−10.4pips+3.0pips−13.6pips7分
10/23−16.9pips+22.1pips−17.0pips63分

7件中6件が、最大でも+3.0pipsしか伸びていません。入った瞬間から含み損になり、そのまま決済されています。

対して勝った13件の最大含み益は平均+11.3pipsでした。いちばん伸びたのは+31.3pipsです。

入った直後の数pipsで、ほぼ決まっている

勝ちと負けを分けているのは「我慢できたかどうか」ではありませんでした。入って数分のうちに+3pipsも伸びないトレードは、そのまま沈んでいます。

記事④で同じことを「4件の観察なので、まだ仮説」と書きました。今回はそれと重ならない20件で、同じ形が出ています。

たった1件の例外が教えてくれること

7件のうち1件だけ、形が違います。10月23日のトレードです。

⚠️ 10/23:+22.1pipsまで伸びてから、−16.9pipsで終わった
売りで入って、一度は+22.1pipsの含み益になりました。そこから戻されて、最終的に−16.9pipsの損切りです。 この1件だけは「伸びなかった」のではなく「伸びたのに取れなかった」。

この違いは重要です。もし「+3pips伸びなければ切る」というルールを作っても、この回は救えません。+22pipsまで伸びているので、ルールは「継続」と判定します。

つまり負けには2種類あるということです。

前者は入口の問題、後者は出口の問題で、対処法が違います。6対1なのでまず前者に手を打つのが先ですが、後者を忘れると+22pipsを何度も取り逃します。

損切りの「最適値」がまた逆になった

最大逆行を全件記録してあるので、「もし機械的に損切りを入れていたら」を後から計算できます。

損切り幅20件の合計切られる件数
−8pips+36.7pips7件
−10pips+22.7pips7件
−12pips+10.0pips6件
−15pips+2.5pips3件
−18pips以上+16.5pips0件
実際(待った)+16.5pips—

今回の20件では−8pipsが最良です。浅く切るほど良い。

ところが記事④では、まったく逆の結論が出ていました。

記事④(30件時点)では「−25pipsが最良」だった

30件のときは−20pipsで+6.7pips、−25pipsで+82.3pips。深く置くほど良いという形でした。

今回の20件では−8pipsで+36.7pips、−18pips以上だと+16.5pips。浅く置くほど良い。完全に反転しています。

理由ははっきりしています。前の章のとおり、今回の負けは「伸びずに沈む」形だったからです。伸びないなら、浅く切るほど傷が浅い。逆に記事④の時期は「沈んでから戻る」勝ちが多く、浅い損切りはその勝ちを殺していました。

相場の形が変われば、最適な損切り幅も変わります。記事④で「この手の最適化はサンプルが増えるたびにひっくり返る」と書きましたが、自分で実証してしまいました。

⚠️ だから損切り幅は「過去の最適値」から決めてはいけない
30件で−25pips、次の20件で−8pips。どちらも「そのサンプルでの最適値」でしかありません。 次の20件でまた変わります。決め方を変えるなら、後から計算した最適値ではなく、 «入って伸びなければ手放す» のような、相場の形に依存しない条件のほうが筋がいいと考えています。

最大逆行をどうやって測ったか

これまでの記録では、最大逆行をチャートを見て拾っていました。今回は1分足のデータから機械的に計算しています。

  1. 各トレードの約定時刻から決済時刻までの1分足を取り出す
  2. その期間の高値の最大・安値の最小を求める
  3. 建値との差を最大逆行・最大含み益とする

20件で平均470本、最も長いもので470分ぶんの足を見ています。目視では拾いきれない精度です。

💡 検証のついでに、自分の検証環境のバグが見つかった
使っていたヒストリカルデータの時刻変換が、米国の夏時間の期間だけ1時間ずれていました。 約定値が1分足のレンジに収まるかで検証したところ、補正前は18件中1件しか収まらず(最大42pipsのズレ)、 1時間ずらすと17件が収まりました(平均1.1pips)。 データの3分の2がこの期間に当たるため、過去の時間帯別の検証はやり直しが必要です。 自分の取引記録を照合に使うと、こういうものが見つかります。

ルールを守れなかった6件を分けた

同じ期間に、ルール外で入った取引が6件ありました。上の20件には含めていません。

判定は記憶ではなく、通知の記録と突き合わせて行いました。自作の監視スクリプトが条件を満たしたときに通知を出しているので、そのログと約定時刻・方向を照合しています。

日付結果外した理由
10/15+5.0pips通知が出ていない
10/16+6.3pips通知が出ていない
10/19+6.2pips通知が出ていない
10/20+0.3pips通知は「売り」なのに買いで入った
10/28+0.1pips通知が出ていない
10/28−10.6pips通知が出ていない

この6件は5勝1敗・+229円でした。ルールを守った20件(65.0%)より成績が良いという、書きにくい結果です。

ただし6件では何も言えません。勝った5件のうち4件は+6.3pips以下の小さい勝ちで、1件の大きい負け(−10.6pips)がもう1回出れば簡単に逆転します。

💡 成行で入った取引を、全部ルール外にはしなかった
今回は成行で入ったものが6件ありますが、そのうち3件は通知と同じ方向・ほぼ同じ価格でした。 通知を見たときにはもう逆指値の位置まで来ていたので、成行で追いかけた形です。これは執行の仕方が違うだけなので、 ルール内として扱いました。外したのは通知そのものが無い5件と、通知と逆方向に入った1件です。

口座全体は−2,213円

ここまではルール適用分の話です。口座全体の数字も出します。

区分件数実現損益
ルール適用分20件+464円
ルール外(上の6件)6件+229円
それ以外22件−2,906円
2026年10月の合計48件−2,213円

10月は口座全体でマイナスです。ルールで取った20件はプラスですが、それ以外の22件で−2,906円を失っています。

記事④では「約定件数が356件→152件に減って損失も縮んだ」と書きました。10月は48件(96約定)とさらに減っていますが、ルール外で負ける構造は変わっていません。

正直に書いておくこと

通算はまだマイナスです

新ルール57件で−1,283円・−29.0pips。36勝21敗(勝率63.2%)で勝率は高いのに、通算は負けています。

+464円は小さすぎます

20トレードで464円。1トレードあたり23円です。時間をかけた割に、これで何かを証明できる金額ではありません。

「伸びなければ切る」はまだ試していません

今回見つけた傾向は、後から計算した結果です。実際に「入って◯分で+◯pips伸びなければ切る」というルールで運用したわけではありません。次にやるのはその検証です。

最大逆行の計算には誤差があります

約定値は証券会社のレート、1分足は別のデータ提供元です。両者には数pipsの差があります(照合した18件で平均1.1pips)。最大逆行の数字は、1〜2pips程度の誤差を含みます。

ロットは固定していません

3,100通貨から3,500通貨のあいだで動かしています。本来はリスク管理として固定すべきところです。

まとめ

  • 対象期間は2026年10月12日〜28日・20トレード(ルール適用分)。+464円/+16.5pips/13勝7敗。
  • 前回からPFが1.031→1.206に改善。ただし勝ちは小さくなっており(+11.95→+7.44pips)、負けがそれ以上に縮んだ(−18.54→−11.46pips)のが理由。
  • 負けた7件のうち6件は、最大含み益が+3.0pips以下。入った直後から一度も伸びていない。勝ち13件の平均は+11.3pips。
  • 例外は1件(+22.1pipsまで伸びてから−16.9pips)。負けには「伸びない負け」と「伸びてから戻される負け」の2種類ある。
  • 損切り幅の最適値は今回−8pips。記事④の30件では−25pipsだった。完全に反転している。
  • 最大逆行は1分足から機械的に算出。その過程で自分の検証環境の時刻バグ(夏時間で1時間ズレ)が見つかった。
  • 同じ期間のルール外6件は5勝1敗・+229円で、ルールを守った分より成績が良い。ただし6件では何も言えない。
  • 口座全体は48件で−2,213円。ルール外の22件で−2,906円を失っている。
  • 新ルール通算57件は−1,283円。まだマイナス。

次回(⑥)は、「入って伸びなければ切る」を実際のルールにして運用した結果を書きます。何分で何pipsを基準にするかは、これから決めます。後から計算した最適値ではなく、事前に決めた条件で何が起きるかを見たいからです。